林檎の街で暮らしてます

日々のこと、ペットの犬やネコのこと、心おもむくまま綴ります

パパ・ユーア クレイジー

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パパ・ユーアクレイジー (新潮文庫)

サローヤン著、伊丹十三

高校生の頃から今まで何度読み返したか分からない大好きな本。

読む度に新しい発見があって、はっと感銘を受ける。

対等よりもほんの少し上から、愛情と敬意を持って見つめる父親の息子への目線。

波の音が全編を通して聞こえる素敵な小説です。

お気に入りの箇所があり過ぎて困るくらいですが、一部分をご紹介します。

 

 

「さて」僕の父が言った。「私がお前に知っておいてほしいのは、私はこの草を抜いているけれども、それでも、こいつらに感嘆しているということなんだ」

 中略

「雑草はずいぶんひどい罰を受けている」僕の父は言った。「でも、ちょっと背を向けると、もう生えている。いつものように、静かに、取るに足らぬ風情で、誇らず、尊大ぶらず、自分が攻撃された回数など気にもかけずに生えているんだ。実に何度眺めても美しいものなのさ」

 

 

なんだか宮沢賢治雨ニモ負ケズに通じるものを感じます。

ミンナニデクノボートヨバレ
ホメラレモセズ
クニモサレズ
サウイフモノニ
ワタシハナリタイ

静かなで柔らかな強さに憧れます。

 

上の図画は、これも父さんが大活躍する痛快なお話。

すばらしき父さん狐 (ロアルド・ダールコレクション 4)