息子とアリス
ぼくの名前はイーゴ。黒と白だから♪
息子は囲碁が好きで、それこそ学校から帰ると寝るまでネット碁をしたり、棋譜並べをしたり、暇があれば詰め碁やら碁の戦い方 how to 本やら読んでいる。
彼の一日は、学校のち囲碁、ピアノのちまた囲碁という感じ。
それはいいとしても、この囲碁という勝負、当たり前ですが、必ず勝ちと負けをどちらか一方ずつ受け取ってゲームオーバー。負けるとかなりかなり悔しいらしく、
本人曰く
精神崩壊しそう。
とのこと。
そういえば、彼の囲碁友達が前に大会で、
負けたときはね、毎回再起不能って気分。
目を泳がせながらそう言った彼の横顔は、子供とは思えないくらいで、
この子はそんな潰れるような思いを抱きながら碁を打ってるのか、と胸が苦しくなりました。
仲の良い二人ですが、一旦、大会でぶつかると熾烈に勝ちをもぎ取るため戦っております。
気心の知れた友達ですが、絶対負けられない相手。
二人を結びつけているのは碁が好きで好きでたまらないという気持ちと、
口には出さないけれど、
負けた痛みを自分と同じようにこいつも知っていて、今日も頑張ってるという気持ち
なのではと思います。
さて、そんな息子との車での会話に、鏡の国のアリスの話が出てきました。
お母さん、アリスにさ、赤の女王がいう台詞あるじゃん。
今いる場所にいるためには、力の限り走らねばならない。
どっかに行きたかったら少なくともその2倍の速さで走らなければいけないって。
本当にそうだよねー。
数年前は、変ー、おかしいーと笑い転げてにこにこしていたのに。
ちょっと寂しく、しみじみ嬉しく思いました。
まだまだ小学生、息子も、彼の友達も、そして世界中の子供たち。
痛いも嬉しいもいろんなものを全部ポケットに突っ込んで、
全速力で未来に向かって走っていけ。
それで傷ついた時の治療体制は万全に整えて控えております。
音楽の泉
日曜の朝8時5分、
シューベルトの楽興の時で始まる皆川達夫氏によるクラシック番組です。
朝食中だったり、運転中だったり、時にはまだベッドの中でぐずぐず惰眠を貪っているときもありますが、私の中でいかにも日曜なラジオ。
さて、この楽興の時ですが、なんか弾き方がすごく好みと思っていたならば、
アンドラーシュ・シフのものとか。
やっぱり。シフのピアノ、いつか生で聴いてみたいものです。
さて25日の音楽の泉、ショパンのワルツ集でした。
ディヌ・リパッティの演奏、とてもとても素敵でした。
硬質なクリスタルのような、冷静と情熱のミルフィーユのような。
33歳で白血病にて夭折したピア二スト。
それはそれは美しいピアノでした。
うん、12月1日の再放送もう一回聴こう。